家も歳をとると具合が悪くなる
家も歳を取るとあちこち具合が悪くなってきます。人間と同じです。
初めての大掛かりな修繕は、台所でした。2008年5月のことでした。
羽アリが我が物顔に歩きまわり始めたのです。発生箇所がわからず、外の基礎周りに石油を掛けて、その場しのぎをしました。
以前に別の場所でこの方法でアリを退治したことがあったものですから。
しかし、その後もアリは出てきます。解決策は業者に頼むしかありません。
知人にお願いして、地元の業者を紹介してもらいました。
キッチンセットの下と壁側の床と壁をはがすと、えらいことになっていました。
基礎の上にある根太と、壁までシロアリに喰われていて、もとの形をとどめておらず、ぼろぼろでした。点検するのが遅すぎました。
原因は、永年の水道栓からの水漏れでした。
腕の良い職人さんたちのおかげで、すべての原因を取り除き、無事修繕が完了しました。
シロアリ駆除業者のおじいさんが、自分がやってきた駆除作業の話をしてくれました。
東京芝の増上寺の山門がシロアリに喰われて、危険な状態になっていたのを修復し、薬剤駆除したこと。増上寺の正面に見える山門の柱がシロアリに喰われて、大げさにいうと宙に浮いている状態だったそうです。何しろ文化財ですし、荒っぽい仕事は出来ないし、復元と駆除作業は難航を極めたそうです。あそこの柱はその時に継ぎ足ししたものであることを、初めて知りました。
あるときは有名な宮家に呼ばれたそうです。その屋敷は江戸時代に建てられた広大なもので、ほとんど手がつけられないくらいシロアリの被害にあっていたそうです。その後、どうなったかは忘れました。また、有名人の家のシロアリ被害の様子などを、茶飲み話にしてくれました。
我が家では、床下にもぐって、くまなく消毒してくれました。「30年は大丈夫だよ」と言ってくれました。人なつこいおじいさんでした。